セールスファネルの作り方|流入・登録・販売・継続をつなぐ設計の考え方

セールスファネルは、使う媒体を増やして作るものではありません。入口で抱いた関心を登録後の理解につなぎ、選択に必要な理解を渡し、購入後に残る別の課題までを一つの流れとして書き出すことで作ります。最初にやることは、新しい施策を決めることではなく、今ある接点を紙に並べ、どの接続が説明できないかを一つ選ぶことです。

ランディングページ、配信、販売ページを別々の制作物として扱うと、それぞれを改善しても読者の判断が途中で止まります。僕は、入口だけ、メールだけと部分ごとに見ず、前の接点で生まれた理解が次で使える状態になっているかを確認してきました。全体を一式として見ない限り、どこを直すべきかは決まりません。

この記事では、手元の紙かメモを使い、流入・登録・販売・継続を一枚に書くところまで進めます。最後には、今の導線で最初に確認すべき接続と、次に読む一記事を自分で選べるようになります。

目次

施策の前に、いまある導線を一枚に書く

まず、読者があなたを知ってから購入後までに通る接点を、左から右へ並べます。接点名は整っていなくて構いません。「記事」「紹介」「登録ページ」「最初に渡す内容」「案内」「購入後の連絡」のように、いま実際に存在するものだけを書きます。ない場所は空欄のままにしてください。

空欄を見つけると、すぐにページや配信を追加したくなります。しかし、空欄が問題とは限りません。必要なのは接点の数ではなく、前の接点で持った関心や理解を、次でどう扱うかです。先に新しいものを足すと、何を補うために足したのかが分からなくなります。

セールスファネルを流入、登録、販売、継続の四つの接続として確認する図

次の五行を、そのまま書き写してください。

書く項目記入する内容
入口の約束読者が最初に解決したいと思った問題
登録後に渡す理解登録直後に「次に何を考えられる状態」にするか
選択前に必要な理解案内を見る前に分かっていなければならないこと
購入後に残る別の課題購入前の課題が片付いたあとに残る問題
運用できる条件誰が、どの頻度と環境で、この流れを続けるか

それぞれを立派な文章にする必要はありません。一文で答えられるかどうかだけを確かめます。たとえば入口の約束が「集客を増やす」しか書けないなら、登録後に何を渡すかも曖昧になりやすい状態です。この段階では表現を磨かず、答えが曖昧な場所に印を付けます。

セールスファネルは四つの接続で確認する

ファネルを箱の並びとして眺めると、どこで人数が減ったかだけに目が向きます。実際に確認したいのは、前の接点が次の判断に必要なものを渡しているかです。四つの接続ごとに、前で持ったものと次で判断できることを書いてください。

接続前で持ったもの次で判断できること
流入→登録入口で感じた問題意識・関心登録する理由
登録→販売問題の見方・選択肢の理解自分に必要な選択かどうか
販売→継続購入前に解いた課題次に扱うべき別の課題
全体→運用ここまでの設計続けられる担当・時間・環境

「前で持ったもの」が書けないなら、その前の接点の約束が曖昧です。「次で判断できること」が書けないなら、その接点は読者に何をしてほしいのかが決まっていません。数値を見るのはこのあとです。まず理解の受け渡しを言葉にすると、数値を見たときにも、何を確かめる数字なのかが決まります。

流入・価値提供・販売は、別々に最適化できるものではありません。入口だけを変える、案内だけを増やすといった変更は、前後の理解との関係を残したうえで初めて意味を持ちます。変更前には、今日書いた五行と四つの接続を保存してください。変更後に同じ表と照合できれば、何が変わったかを確認できます。

流入から登録へ、入口の約束を引き継ぐ

流入から登録へ渡すのは、アクセス数ではなく、読者が入口で「これを解決したい」と感じた問題です。入口で約束したことと、登録直後に渡す内容が別の話なら、登録しても次の理解は始まりません。

ここでは、入口の一文の横に「登録後、最初に渡す理解」を書きます。二つを読んで、後者が前者の続きを説明しているかを確かめてください。続きになっていないなら、登録を促す言葉を変える前に、誰のどの問題を扱うのかを整理します。

こう書けた状態次にすること
商品が解く問題、相手、到達させたい状態を書けるC01-01で、媒体の前に設計入力を整理する
入口の約束は書けるが、運用する人・時間・環境が書けないC01-06で、始めるための条件を確認する
どちらも書けないまず商品が解く問題を一つに絞り、接点を増やさない

登録から販売へ、読者が理解する順番を決める

登録した読者に対して必要なのは、接点を多くすることではなく、次に何を理解すれば選択できるかを決めることです。情報提供と案内が分かれていると、案内は突然現れたものに見えます。読者がすでに知っていること、今回理解すること、まだ残っている疑問を順に書いてください。

次に、登録後の各接点へ「役割名」を付けます。たとえば、問題を言い直す、判断基準を渡す、選択肢を比べる、次の行動を確認する、といった役割です。同じ役割が重なっても構いませんが、順番の理由を説明できなければ、通数や形式を先に決めません。

いま答えられない問い進む記事
登録後に何をどの順で理解してほしいかC01-02-01で自動配列の役割を整理する
継続的な情報提供と案内がどうつながるかC01-07で一回の配信の問いを整理する
どの形式を置くべきかC01-08で不足している理解から接点を選ぶ
高額な選択を検討する前に何が必要かC01-05で必要な理解と前提を確認する

販売後は、同じ提案ではなく別の課題を見る

購入後に次の価値を考えるとき、先に確認するのは「さらに何を提案できるか」ではありません。購入前の課題が解けたあとに、同じ読者にどんな別の課題が残るかです。購入前に解いた課題と、購入後に残る課題を二行で書き分けます。

二つが同じ言葉になったなら、次の価値を急いで増やしません。購入前の課題をまだ十分に解けていないか、購入後の観察が足りない状態です。別の課題が一文で説明でき、その課題に答える理由も書けるときだけ、次の接点を検討します。

また、過去に作った説明や案内を使い直すときは、文章だけを取り出しません。「対象」「必要な理解」「次の行動」「作成したときの前提」を一式で残します。現在の読者や状況と照合できないものは、そのまま流用しないことが回復の近道です。

数字は原因の答えではなく、次の問いを選ぶ材料にする

数字を見れば改善点が自動的に決まるわけではありません。数字は、どの接続をもう一度確認するかを選ぶ材料です。まず、見る段階を一つ選び、その段階で見た一つの数値または事実を書きます。続けて「この事実だけでは分からないこと」を書き、最後に次に確かめる問いを一つだけ置きます。

たとえば登録が少ないという事実があっても、入口の約束が弱いのか、登録後に渡すものが見えないのかまでは断定できません。理由を複数書けるなら、どれかを急いで正解にせず、次の観測で確かめる一問を選びます。変更するものは一つ、変更しないものも一つ書き、同じ地点を再観測します。

セールスファネルの課題を設計、開始条件、理解設計、販売、観測と改善、購入後と資産化に分け、読む記事を選ぶ図
観測後に残った問い進む記事
この数字をどの段階の確認として見るかC01-03でKPIの位置を整理する
事実と理由の仮説をどう分けるかC01-09で次の一問を選ぶ
入口・理解・購入後のどこを直すか判断できないこの親記事の五行へ戻る

最初に直す場所を一つだけ選ぶ

ここまで書いた紙を見て、次の五つのうち、いちばん答えにくかったものを一つ選んでください。

  1. 入口の約束を書けない。
  2. 登録後に渡す理解を書けない。
  3. 選択前に必要な理解を書けない。
  4. 購入後に残る別の課題を書けない。
  5. 運用できる条件を書けない。

選んだもの以外は、今回は変えません。複数の接点を同時に動かすと、結果が変わったときに何が効いたのか確認できないためです。選んだ場所に対応する子記事を一つ読み、紙の該当行だけを更新します。その後に、同じ五行と四つの接続を読み直し、前より具体的に説明できるようになったかを確認してください。

答えられない場所が残るのは失敗ではありません。次の作業を決める材料です。施策を追加する前に、どの理解が渡せていないのかを一つ言える状態に戻れば、ファネルは十分に改善を始められます。

商品、見込み客、必要な理解、次の行動を結びつけて考えるセールスファネル設計のアイキャッチ。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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