セールスファネルとは、見込み客が最初の接点から価値を理解し、次の選択へ進むまでの流れです。
セールスファネルの改善は、新しい施策を足すことから始めません。観測した事実と原因の仮説を分け、次に確かめる問いを一つ選びます。変更した後は同じ地点を再観測し、変わらなければ変更を重ねず、問いの選定へ戻ります。
流入、価値提供、選択を促す接点は互いに影響します。だから、一つの数字だけで原因を決めることはできません。僕は購入をやめかけた理由を尋ねる接点を置いたことがあります。そこで使ったのは回答内容を一般化するためではなく、数字だけでは見えない迷いを、次の問いを選ぶ材料として扱うためです。
この記事では、観測した事実、考えられる理由、次に確認する一問、変更しないもの、再観測日を書き、改善の作業を一つに絞ります。
改善の前に、事実と仮説を別の欄へ書く
まず、いま見ている段階を一つ選びます。次に、そこで起きたことを評価語なしで一文にします。「次の接点へ進む動きが変わった」は事実です。「説明が足りない」は仮説です。同じ文に混ぜないでください。
| 書く項目 | 書き方 |
|---|---|
| 観測した事実 | どの段階で何が起きたかだけを書く |
| 考えられる理由 | 事実を説明しそうな理由を複数書く |
| 次に確認する一問 | 理由を分けられる質問を一つ選ぶ |
| 変更しないもの | 今回は動かさない接点や条件を書く |
| 再観測日 | 同じ地点を見返す日を書く |
事実が書けないなら、改善を始めません。C01-03へ戻り、どの段階を確認しているのかを決めます。理由が一つしか思い浮かばない場合も、その理由を正解にせず、「この理由でなければ何が違うのか」を一つ追加してください。
一つの結果を、途中の要素へ分ける
「登録が増えない」という結果だけでは、何を変えるか決められません。記事が見られた数、登録ページへ進んだ割合、登録した割合のように、途中の要素へ分けます。
僕はリスト獲得を、記事閲覧、登録ページへの移動、登録という三つに分けて説明したことがあります。分けると、記事を増やすのか、ページへの案内を直すのか、登録ページを見直すのかを選べます。
また、業界で一般的に語られていた順序も、そのまま正解にはしませんでした。自分のページや販売接点で、前提と条件をそろえて確かめます。ただし、ある条件で売れた経験を、すべての読者へ同じ順序を勧める根拠にはしません。
改善前に、次の三点を書いてください。
- 結果を構成する途中の数字
- 今回確かめる業界の前提
- 他の条件では同じとは限らない範囲
常識に反対することが目的ではありません。現在の自分の条件で、どこまで確認できたかを明らかにすることが目的です。
改善先をLead・CVR・LTVのどこへ仮置きするか
途中の数字を分けたら、改善先をLead、CVR、LTVのどこかへ仮置きします。これは原因を決める作業ではありません。次に見る事実と、確かめる問いを一つ選ぶための置き場所です。
Leadに変化があるなら、入口へ来た人や流入元の事実を見ます。CVRに変化があるなら、次の接点へ進む前後で何が伝わっていたかを見ます。LTVに変化があるなら、購入後に残る課題と、その後の価値がつながっていたかを見ます。
数字が動いた場所だけで原因を決めない
数字が動いた場所と、原因がある場所は同じとは限りません。たとえばCVRが下がっていても、入口で対象が変わったのか、ページの説明が伝わらなかったのか、案内先が合っていないのかは分かれます。
僕は、不調の理由を一つのコピーやコンセプトだけへ集めず、集客、価値提供、販売の接続を分けて見てきました。全部を直すのではなく、観測した事実から仮説を一つ選び、小さな変更を置きます。
観測から再観測までを一つずつ進める関係を、次の図にまとめます。


仮置きした場所には、観測した事実、考えられる理由、今回の変更、再観測日を書きます。どれかを書けない場合は変更を始めません。数字そのものの読み方はKPI記事へ戻し、停止点が購入後にある場合だけ、購入後の価値とLTVを見直す設計へ進みます。
変更前に、比較条件と停止条件を置く
改善案を試す前に、何を比較するのかを決めます。始めてから条件を変えると、結果が動いても、どの変更と関係したのか分からなくなるためです。
僕は、同じテーマの複数のページを、同じ期間・同じ条件で比べる計画を立てたことがあります。結果をよく見せるためではなく、比較条件をそろえるための準備です。そこから先の変更要素と停止条件は、実行前の確認項目として別に決めます。
テスト前に、次の五点を書いてください。
- 今回確かめる仮説
- 比較する対象と期間
- 変えずに保つ条件
- 今回だけ変える要素
- 中断または見直しに戻る条件
比較単位がそろわない場合は、勝敗を決めず、観測の準備へ戻ります。停止条件に触れた場合も、予定期間の終了を待たずに止めて確認します。
次の問いは、一つだけ選ぶ
理由が複数ある状態で、複数の接点を同時に変えると、何が関係したかを判断できません。次の問いは、答えが分かれば理由を一つ減らせるものにします。


選んだ問いに答えるために、変えるものを一つだけ決めます。同時に「変更しないもの」を書いておくと、再観測したときに比較できます。変更の前後で、読者に渡す理解や次の選択まで変えてしまわないようにしてください。
| 状態 | 判断 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 理由が複数ある | 変更を始めない | 観測を増やして一問を選ぶ |
| 一問を選べた | 一つだけ変える | 同じ地点を再観測する |
| 結果が変わらない | 変更を追加しない | 仮説を外して事実へ戻る |
| 観測地点が曖昧 | 改善を止める | C01-03へ戻る |
変更後は、問いが答えられたかを見る
再観測では、「数字が良くなったか」だけを見ません。最初に置いた問いに答えられたかを確認します。答えられれば、その仮説を次の設計判断の候補にできます。答えられなければ、元の仮説を保留し、別の理由を確かめます。
理解が不足していることが事実として残るならC01-08へ進みます。商品・読者・目的の定義が曖昧ならC01-01へ戻ります。どの接続を見直すか自体が決まらない場合は、親記事の四つの接続へ戻ってください。
最後に、「僕は[事実]を見たため、[一問]を確かめるために[一つの変更]だけを行い、[再観測日]に同じ地点を見る」と一文で言えれば、改善の作業は絞れています。













