電子書籍の書き方|既存素材を整理し、人が最終判断する

電子書籍を書くとき、最初に決めるのは、本が誰のどの問いに答えるかです。その問いに関係する本人の素材を選び、章順へ並べ、事実・権利・公開可否を確認できなければ原稿化を止めます。

僕は、既存のメルマガ、セミナー、ブログ、動画、音声を電子書籍の原料として棚卸ししてきました。ただ、素材があるだけでは原稿になりません。テーマ、主張、根拠、事実、権利、公開可否を人が一つずつ決めます。

この記事で読者が実行するのも、紙・メモ・表を使った人の作業だけです。最後に、この本は誰のどの問いに、どの本人素材を根拠として、どの順で答えるかを一文で説明できれば完了とします。

目次

本で答える問いを先に決める

素材を集める前に、本で答える問いを一つ決めます。問いが曖昧なままでは、手元にある資料をどこまで入れるか判断できず、一般的な説明で経験の不足を埋めやすくなるからです。

次の五項目を一行ずつ書いてください。

書く項目確認すること
誰の問いか読者の状況を一つに絞れているか
どこで止まっているか何をしようとして判断できないのか
本で答える問い一冊で答える具体的な問いは何か
読後の判断読者が何を選べる、比べられる、確認できるか
扱わないこと専門外や、本の約束に含めない範囲は何か

五項目を一続きで説明できれば、問いを確定します。読者の状況が決まらない場合はEBOOK-2-1、読者への一点の約束が決まらない場合はEBOOK-2-4へ戻ってください。

既存素材を出所付きで棚卸しする

問いが決まったら、すでに作ったメルマガ、ブログ、セミナー、動画、音声などを一つずつ確認します。素材があることと、その本に使えることは別です。問いとの関係、原典、権利、公開可否まで確認できて、初めて採用候補になります。

素材ごとに、次の表を埋めてください。

記録する項目判断に使う問い
素材名何を確認しているか分かる名前か
出所どの発信、収録、資料から来たものか
作成時期いつ作った素材か
本で答える問いとの関係問いのどの部分に答えるか
使える本人の事実・経験自分が実際に行い、説明できることは何か
原典へ戻れる場所元の文書、音声、動画などを再確認できるか
使用権利自分が本文へ使える素材か
顧客・秘密情報個人情報や公開できない内容を含まないか
採用・保留・不採用どの条件で判定したか

本の問いと関係しない素材は不採用、原典へ戻れない素材は保留にします。権利、事実、顧客情報、公開可否の一つでも確認できない素材は原稿化しません。本人の経験で支えられない主張も、一般文で補わず、本で扱う範囲を狭めてください。

採用素材を章順に並べる

採用した素材だけを使って、章ごとの小さな問いを作ります。大きな見出しを先に並べるのではなく、読者が最初の迷いから読後の判断へ進める順に置くのがポイントです。

章ごとに書く項目確認すること
章で答える小さな問いこの章だけで何に答えるか
使う本人素材棚卸し表のどの素材を使うか
使う根拠どの原典へ戻れるか
読者が確認できる結論読了時に何を判断できるか
次の章へ渡す問い次に何を確かめる必要があるか

各章について、この問いに、この本人素材を根拠として、ここまで答えると一文で説明してください。説明できない章は構成へ入れません。素材棚卸し、問い、章順、人の確認、原稿までが一続きになるかを、次の図で確認します。

既存素材から原稿へ進む確認順
素材棚卸し
出所と使用可否を記録
本の問い
誰の何へ答えるか
章順
小さな問いを並べる
人の確認
事実・権利・公開可否
原稿
確認済み素材だけで構成

章の問い、本人素材、根拠、読者の結論がすべて対応すれば構成を確定します。どれかが空欄なら、章を増やさず、問いを狭めるか棚卸し表へ戻ってください。

事実・権利・公開可否を人が確認する

構成を決めたあとも、原稿化の前に確認を止めないことが大切です。既存素材を再利用するだけで、事実の正しさや権利、品質が保証されるわけではありません。

確認項目記録する内容止める条件
事実原典、確認日、確認した人原典へ戻れない、現状を確認できない
権利使用できる理由、許諾の有無権利関係が分からない
顧客・秘密情報削除・匿名化・不使用の判断公開可否を判断できない
本文の約束問いと各章の回答の対応問いへ答えない章がある
最終判断採用、修正、保留、不採用と判断者判断者が決まっていない

一項目でも確認できなければ、原稿化または公開判断を止めます。すべての確認者と完了条件が決まったら、公開前の領域別確認へ進んでください。

素材整理、執筆、事実確認、権利確認、公開判断の担当が分かれる場合は、誰が止め、誰が最終判断するかも先に決めます。

最後に、この本は誰のどの問いに、どの本人素材を根拠として、どの順で答えるかを一文にします。各素材の原典・権利・公開可否と、各章の確認者まで示せれば、電子書籍原稿を組み立てる準備は完了です。

全体の目的を見直す場合は、電子書籍マーケティング総合ガイドへ戻ってください。

電子書籍の構成・文字数・テンプレートを分けて考える

電子書籍の書き方で先に決めるのは文字数ではなく、読者の問いへ答える順序です。僕の場合、過去のメルマガ、セミナー、ブログ、動画、音声を原料として棚卸しし、出所と本の問いを照合してから章順を決めます。

検索時の疑問判断基準
構成・章立て読者が迷う順に、問い、理由、例、判断へ進めるか
文字数固定値ではなく、本の約束を回収するのに必要な範囲か
テンプレート判断を省く型ではなく、読者・根拠・権利の確認欄があるか
音声・文字起こし話した順をそのまま載せず、テーマ単位に再編集したか
既存素材の再利用原典、権利、作成時期を確認し、問いと関係する部分だけを採用したか

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

参考になったらシェアしよう!

この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

目次