電子書籍マーケティング総合ガイド|目的から読後導線までを設計する

このページは、Kindle出版の操作手順や販促施策を一度に並べる記事ではありません。

電子書籍に何を担わせ、誰のどんな問いに答え、読後に何を任意で選べるようにするか。その全体を一枚の設計シートにするためのガイドです。

僕は電子書籍を、知識・経験・主張を一つの流れに整理し、読者との接点を作るパーツとして扱ってきました。ただ、本を出すだけで集客や販売が生まれるわけではありません。本の約束と、その前後にある案内の役割を分ける必要があります。

まず、次の言葉だけそろえておきます。

言葉この記事での意味例
本が担う範囲本の中で答えきる問い「講座テーマを一つ選ぶところまで」
読後判断読者が本を読んだ後、自分で決められること「今の経験なら、どのテーマから始めるか」
次接点本の約束を回収した後、必要な人だけが選ぶ案内「テーマ確認用のチェックリストを受け取る」
目次

このガイドが向く人、先に別の記事を読む人

今の状態このページの使い方
出版目的から読後導線までを一度整理したいこのまま五項目の設計シートを埋める
Kindle出版の仕組み自体が分からない先にKindle出版の基礎を確認する
読者の悩みやテーマがまだ曖昧先に読者一人・悩み一つを決める
原稿や表紙はできていて、公開操作だけを確認したいKDP公開前の確認項目を分ける

まず、五項目を一枚に書く

設計の中心は、次の五項目です。

  1. 出版目的
  2. 読者の状況と読後判断
  3. 本で渡す理解
  4. 読後に選べる次接点
  5. 今止まっている工程

ここで使う例は、オンライン講座を持つ個人講師が「自分の経験を講座テーマにしたいが、何から決めるか分からない人」へ向けて電子書籍を作る、という仮定です。実績例ではなく、書き方を見せるための完成例です。

五項目完成例
出版目的読者が、自分の経験から最初の講座テーマを一つ選べるようにする
読者の状況と読後判断経験はあるが、何を講座にするか決められない人が、最初に扱うテーマを一つ選べる
本で渡す理解経験、よく聞かれる質問、扱える範囲を重ねて候補を絞る考え方
読後に選べる次接点必要な人だけが、候補を確認するチェックリストをメールで受け取れる
今止まっている工程読者が使う言葉をまだ確認できていないため、ニーズ調査へ戻る

悪い例は「電子書籍で集客し、信頼を高めて商品を売る」です。目的が三つあり、誰のどんな問いに答える本なのかが見えません。

直すなら「経験はあるが講座テーマを決められない人が、最初の一テーマを選べる本」にします。本の中で終えることが決まり、その後の案内も必要な人だけに分けられます。

目的から読者、企画、本にする工程、次の接点、改善へ進む全体図

目的を一つ決める|終了時に決まること:本の主な役割

最初に「出版する」「売る」ではなく、読者にどんな判断を渡すために本を使うのかを書きます。

知識整理、集客接点、メール登録、商品理解、専門性の説明など、目的は複数考えられます。でも、一冊の主目的は一つに絞ります。

書く項目判断条件
主目的読者側の変化として一つに言える
副目的主目的の後に扱う役割として分けられる
今回扱わない目的この本へ背負わせないことを説明できる

この本は、読者が〇〇を判断できるように、△△を理解してもらうために使うと一文にできれば完了です。

例なら「この本は、経験はあるが講座テーマを決められない読者が、最初の一テーマを選べるように、経験と需要を重ねる見方を理解してもらうために使う」となります。

一文にできない場合は、電子書籍を集客に活用するときの役割を決めるへ戻ってください。

読者と読後判断を決める|終了時に決まること:誰の何を変える本か

読者を年齢や肩書きだけで決めず、困りごとが起きている場面から書きます。

書く項目問い
誰がこの問いを自分のこととして読むのは誰か
どの場面で何をしようとしているときか
何に迷っているかどの判断で止まっているか
読後に何を決められるか本を読んだ後、自分で何を選べるか

例なら「講座を作りたい個人講師が、複数の経験のどれを最初のテーマにするか迷っている。読後には候補を一つ選べる」です。

対象が広い場合は一人・一場面へ絞ります。読後判断が複数ある場合は、主目的に最も近い一つを残してください。

状況と悩みがつながらない場合は、読者一人・悩み一つを決めるへ。実際の読者の言葉を確かめる場合は、検索や相談からニーズを調べるへ進みます。

本が担う範囲を決める|終了時に決まること:本で答える問いと答えない問い

本へ入れる内容を増やす前に、答える問いと答えない問いを分けます。

書く項目完了条件
本で答える問い読者の一つの迷いに対応している
本で渡す理解読後判断に必要な考え方や材料が分かる
本では答えない問い今回の範囲外を説明できる
次の接点で補うこと本の約束を置き去りにせず、残る問いに対応している

例では、本で「講座テーマを一つ選ぶ考え方」まで答えます。カリキュラム作成、販売ページ、集客方法までは扱いません。

この本は〇〇という問いへ△△の理解を渡し、□□は扱わないと一文にできれば完了です。扱う範囲をタイトルで約束できない場合は、タイトル・サブタイトル・表紙の役割を分けるへ戻ります。

読後の次接点を決める|終了時に決まること:必要な人だけが選ぶ一つの案内

本の約束を回収した後で、読後に残る問いがあるかを確認します。

購入、メール登録、商品理解は別の選択です。登録しなければ本の答えが完成しない設計にはしません。

書く項目判断条件
本だけで得られること次接点を選ばなくても約束を回収できる
読後に残る問い本で扱った関心の延長にある
次接点で確認できること一つの役割に絞れている
選ばない場合読者が不利益を受けない

例では、本だけでテーマ候補を一つ選べます。さらに候補を確認したい人だけが、チェックリストの受取を選ぶ形です。

登録理由と受取内容を具体化するなら、電子書籍からメール登録へつなぐへ。商品理解へつなぐなら、本の関心の延長に次の説明を置くへ進みます。

電子書籍マーケティングとKindle出版作業を分ける

電子書籍マーケティングは、本を出版する操作だけを指しません。誰の問いへ答え、本で何を理解してもらい、その後にどんな任意の接点を置くかを設計し、反応を見て改善することです。

知りたいこと進む記事
Kindle出版とは何か、向いているかEBOOK-1-1
電子書籍を集客やリード獲得へ使うEBOOK-1-2、3-1
テーマ、市場調査、タイトル、原稿を作るEBOOK-2-1〜2-5
KDP登録、審査、価格、キーワード、カテゴリーEBOOK-2-6
発売前後の宣伝と導線EBOOK-2-7、3-2
専門性、KPI、外注、売れない原因EBOOK-3-3、4-1〜4-3

僕は、電子書籍をただの出版物ではなく、知識・経験・主張を整理して集客の中で使う一つのパーツとして捉えています。だから、出版操作へ進む前に、本だけで渡す価値と、その後の接点を分けます。

空欄になった場所から、次に読む一記事を選ぶ

ここまで書いてから、空欄が残った場所を一つ選びます。複数ある場合は、上から最初に空欄になった工程へ戻ってください。

停止点次に確かめること次に読む記事
Kindle出版が自分に合うか分からない説明できる経験と公開前の確認範囲Kindle出版の基礎を確認する
本の目的が決まらない集客の中で本が担う一役割電子書籍を集客に活用する役割を決める
読者が曖昧状況、悩み、読後判断読者一人・悩み一つを決める
読者の言葉が分からない原文、出所、状況、仮説検索・相談からニーズを調べる
似た本との差が見えない流行を外しても残る問いと自分の適合テーマの切り口を磨く
本の約束が広い対象、今の問い、読後判断タイトル・サブタイトル・表紙を決める
素材と章順が決まらない出所、根拠、権利、章順既存素材の出所を確認し、章ごとに使う素材を割り当てる
公開前の確認が分からない公式確認先、確認日、判断者、完了条件KDP公開前の確認項目を分ける
発売時の案内がばらばらLP、書籍、特典、メールの約束発売後の販促設計をそろえる
メール登録の理由が弱い登録理由、受取内容、同意、解除方法購入とメール登録を別に設計する
商品案内が本の内容と切れる対象、提供範囲、適合条件、任意性本の関心から商品理解へつなぐ
専門性の示し方が分からない経験、主張、根拠、扱える範囲経験と主張を検討できる形にする
成果を何で見るか決まらない目的、観察箇所、期間、確認事実成果の観察箇所を分ける
制作が続かない担当、受渡物、確認者、完了条件制作工程を分け、各工程の確認者と完了条件を決める
どこを直すか分からない最も手前の停止点と再確認条件停滞箇所を工程別に点検する

読後の固定導線

まとめ:五項目を一文でつなぐ

最後に、誰のどんな問いに本で答え、何を理解してもらい、読後に何を任意で選べるか、最初に直す工程はどこかを一文で説明します。

答えられない項目があれば、対応するH2へ戻って空欄を埋めてください。一文にでき、次に読む記事を一つ選べれば、電子書籍マーケティング全体の設計は完了です。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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