電子書籍テーマのニーズを調べる|読者の言葉を仮説として確かめる

電子書籍のニーズは、検索数の大小や目立つ投稿だけでは判断できません。読者の言葉を出典と状況つきで集め、こちらの解釈と分けてから、本で答える範囲と照合します。

大事なのは、一つの声を市場全体の答えにしないことです。検索やSNSで見つけた言葉も、誰が、いつ、どの場面で使ったのかを確認できなければ、テーマを決める根拠には足りません。

この記事では、読者の原文、ニーズ仮説、反証となる別の声、テーマの約束、次の確認材料を順に書き出します。最後に、誰が、いつ、どの場面で使った言葉か。その言葉からどんなテーマ仮説を立て、次に何で確かめるかを説明できれば完了です。

目次

読者の言葉を出典付きで集める

最初に集めるのは、こちらで整えた要約ではなく、読者が実際に使った言葉です。言葉だけを抜き出すと、発言した人や場面の違いが消え、同じ悩みに見えてしまうからです。

僕は発信について「何を書けばよいか分からない」「続かない」という悩みを扱うとき、表面の言葉だけで原因を決めず、使える素材と続ける仕組みの両方から見直してきました。読者の言葉は答えではなく、どこを確かめるかを考える入口なんですよね。

自分が確認できる質問、相談記録、アンケート、公開投稿などから、次の項目を一行ずつ記録してください。

記録する項目確認すること
読者の原文要約する前の言い方を残す
誰のものか想定読者と関係する立場かを確認する
時期いつ確認した言葉かを書く
場面何をしようとして、どこで止まったときの言葉かを書く
出典元の質問、記録、公開ページなどへ戻れるようにする
確認日自分が出典を確かめた日を書く

誰のどんな場面の言葉か確認できるものだけを候補にします。出典不明の言葉は捨てずに参考欄へ分けますが、テーマを決める根拠には使いません。非公開の相談や個人情報を含む記録は、調査メモへ残せても記事へ転載できるとは限らないため、公開可否も分けてください。

誰を調べるか、どの場面を見るかが曖昧なら、先に読者像を戻します。

言葉と解釈を二列に分ける

集めた言葉の横に、なぜそう言ったのかという仮説を書きます。ただし、その解釈を読者の事実に変えないこと。確認できた原文と、こちらが考えた理由を別の欄に置きます。

実際の言葉そう言う理由の仮説反証になりうる別の声
出典へ戻れる原文その場面で足りない情報や判断は何か同じ対象でも違う理由を示す言葉はないか

同じ迷いを示す言葉をまとめても、対象、時期、場面が違うものは同じ結論にしません。また、仮説ごとに、それとは違う見方を示す言葉を一つ探します。反証とは、仮説が間違っている可能性を確かめる材料のことです。

原文、解釈、反証候補を分けて説明できれば次へ進みます。対象が混ざった場合は、前の読者設定へ戻り、一つの状況に絞り直してください。

テーマの約束と粒度を照合する

次に、読者の言葉と、この本で答える問いを並べます。悩みの言葉が広いからといって、本の約束まで広げる必要はありません。読者が止まった一場面に対して、読後にできる最初の判断までを約束します。

照合する項目書く内容
読者の言葉出典と場面を確認できた原文
本で答える問いその言葉から導いた、一つの具体的な問い
答えない範囲この本では扱わない悩みや専門外の判断
読後にできる判断読者が読後に選べる、比べられる、確認できること

たとえば「何を書けばよいか分からない」という言葉から、「発信を続けられる」まで約束すると範囲が広すぎます。発信の素材をどこから探すか、最初にどの問いを選ぶかなど、自分の経験と根拠で説明できる判断へ狭めます。

読者の言葉からニーズ仮説を作り、テーマの約束と照合し、別の材料で再確認する。この流れが途切れていないかを次の図で確認してください。

読者の言葉から仮説、テーマの約束、再確認へ進む図

読者の言葉より約束が広くなければ、残すテーマ仮説を一つ選びます。話題性を入口に使う場合は、ニーズ仮説とは分けて検討してください。

次に確かめる材料を一つ決める

テーマ仮説を作っただけでは、調査は終わりません。何を見つけたら採用し、何が分かったら狭めるかを先に決めます。条件を後から変えると、都合のよい声だけを根拠にしやすいからです。

僕は、知識やスキルをテーマ候補として見るとき、同じ問題を扱う書籍が販売されているかを最初の確認材料の一つにしたことがあります。ただし、書籍が存在するだけで、自分のテーマにも需要があるとは決めません。誰のどの問いを扱い、自分がどこまで答えられるかを別の言葉や行動で確かめます。

書く項目決める内容
追加で見る言葉・行動別の質問、検索語、公開投稿、相談記録など、次に見る材料を一つ選ぶ
確認期限いつ再確認するかを日付で決める
採用条件同じ対象と場面で、同じ迷いを確認できたらどう扱うか
不採用条件対象違い、場面違い、反証が強い場合にどう見直すか

採否条件を先に決められれば、調査を続けます。追加材料がないまま「需要がある」と確定せず、仮説のまま保留してください。再確認後、対象や場面が違ったなら読者像を更新し、話題性だけが残ったならトレンドとの適合を見直します。

最後に、誰が、いつ、どの場面で使った言葉か。その言葉からどんなテーマ仮説を立て、次に何で確かめるかを一文にします。出典、反証候補、採否条件まで戻って説明できれば、電子書籍テーマのニーズ調査はひと区切りです。

全体の目的を見直す場合は、電子書籍マーケティング総合ガイドへ戻ってください。

電子書籍の市場調査では、需要と自分の解釈を分ける

市場調査は、検索数があるテーマを機械的に選ぶ工程ではありません。検索語、既刊本の説明、レビュー、相談で繰り返される言葉を集め、観察できた事実と自分の解釈を分けます。

材料観察することその場で決めないこと
検索語読者が使う言葉と近い疑問検索数だけで出版テーマを確定しない
既刊本約束、対象、扱う範囲順位だけで需要や品質を断定しない
レビュー期待、つまずき、追加で知りたいこと一件の感想を市場全体へ広げない
自分の対話記録繰り返し出る質問個人情報や未検証成果を使わない

集めた言葉を読者の状況、困りごと、読後判断へつなげられたら仮説にします。まだ仮説なので、次に何を確かめるかも一つ残してください。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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