電子書籍のテーマを決めた後に、次の記事を選ぶ
読者像が見えても、本を事業のどこに置くか、読者へ何を渡すかが決まらなければ、テーマは約束になりません。いま必要な場所から進んでください。
電子書籍の読者は、年齢や職業などの属性だけで決めません。誰が、どの場面で、何をしようとして止まり、読後に何を判断できるようになるかで絞ります。
ただ、読者の悩みだけを想像しても、著者が答えられなければ本の約束にはできません。自分が実際に扱ってきた問いと、根拠へ戻れる素材を先に確かめ、読者の状況と交わる範囲を選びます。
この記事では、経験の棚卸し、読者の状況、読後判断、説明できる範囲を順に書き出します。最後に、誰が、どの場面で、何に迷い、読後に何を判断できる本かを一文で説明できれば完了です。
既存の経験・発信資産を棚卸しする
読者像を作る前に、まず自分が答えられる問いを確認します。ここを飛ばすと、検索されそうな悩みを選んでも、自分の経験と結びつかないテーマになりやすいからです。
僕は電子書籍を考えるとき、これまでのメルマガ、セミナー、ブログ、動画、音声を原料として棚卸ししてきました。その中から、実際に説明してきた問いと、根拠に戻れる発信を選ぶ。専門家らしく見せるために範囲を広げるのではなく、説明できるところを本の入口にします。
紙や表に、次の四項目を書いてください。
| 書く項目 | 確認すること |
|---|---|
| 扱ってきた問い | 過去に繰り返し説明した問題を一つ書く |
| 実際の経験 | その問いについて、自分が行ったことを書く |
| 根拠に戻れる発信 | 内容を確認できる自分の記録や公開済み素材を書く |
| 公開できない素材 | 権利未確認、顧客情報、秘密情報を含むものを分ける |
問い、経験、根拠が一組になり、公開できる素材が一つあれば次へ進めます。推測しかない、原典を確認できない、公開可否が分からない場合は、その素材を使わずに保留してください。
何を経験として扱えるか判断できない場合は、Kindle出版の基礎へ戻ります。
読者を属性でなく状況から書く
次に見るのは、「どんな人か」だけではなく、「いま何をしようとして、どこで止まっているか」です。同じ属性でも、置かれた場面が違えば、必要な説明は変わります。
次の四項目を一行ずつ書きます。
| 書く項目 | 書き方 |
|---|---|
| 誰が | 自分の素材と関係する人を確認できる範囲で書く |
| 何をしようとして | 読者が取りかかろうとしている行動を書く |
| どこで止まり | 判断できずにいる地点を書く |
| 何を知りたいか | 次へ進むために必要な問いを書く |
四項目が一つの場面として説明できれば、困りごとを一つに絞ります。属性だけしか書けない場合は、行動と停止点を追加してください。実際の声や記録がない場合は事実と決めず、読者仮説として次の記事で確かめます。
困りごとと読後変化をつなぐ
読者の場面が決まったら、悩みを大きな成果へ飛ばさず、本を読んだあとにできる判断へつなぎます。「すべて解決する」では、何を説明する本なのか確認できません。
次の三項目を並べてください。
| 書く項目 | 確認すること |
|---|---|
| 現在の迷い | 読者がいま決められないことは何か |
| 本で得る理解 | 迷いを分けるために、何を理解する必要があるか |
| 読後にできる判断 | 読後に何を選べる、比べられる、確認できるとよいか |
三項目が原因と結果でつながり、自分の素材で説明できるならテーマ候補です。読後の変化が広すぎる場合は、「行動できる」ではなく、最初に必要な判断を一つ選び直します。


この図のように、経験・発信資産、読者の状況、悩み、読後判断が一列につながっているかを確認します。途中が空欄なら、その前の工程へ戻ってください。
読者への約束をタイトルや表紙へ落とし込む場合は、次の記事へ進みます。
経験と問いが交わる範囲を決める
最後に、読者が知りたいことと、自分が責任を持って説明できることの交わりを確認します。読者の悩みに需要がありそうでも、経験のない範囲まで広げれば、約束を支える根拠がなくなります。
次の三欄を埋めてください。
| 書く項目 | 判断に使う問い |
|---|---|
| 答えられる範囲 | 自分の経験から、どこまで順序立てて説明できるか |
| 根拠を示せる範囲 | どの記録や発信へ戻って確認できるか |
| 対象外 | 専門外、未経験、権利・事実を確認できないことは何か |
三欄が明確で、読者の停止点と交わるなら読者像を確定します。交わらない場合は、経験・発信資産の棚卸しへ戻るか、読者の範囲を狭めます。読者の声が不足しているならEBOOK-2-2、約束の表現を整えるならEBOOK-2-4、専門性の根拠を見直すならEBOOK-3-3へ進んでください。
最後に、○○しようとして△△で止まっている人が、この本を読むことで□□を判断できると一文にします。この一文を自分の経験と根拠で支えられれば、電子書籍テーマの読者設定は完了です。
全体の目的を見直す場合は、電子書籍マーケティング総合ガイドへ戻ってください。
電子書籍のテーマ・ネタ・ペルソナを一文にまとめる
テーマは広い分野名、ネタは本文に使える個別素材、ペルソナはその本が想定する一人の読者像です。三つを別々に決めるのではなく、読者が止まっている場面へつなげます。
| 項目 | 決める問い |
|---|---|
| テーマ | 何について答える本か |
| 読者・ペルソナ | 誰が、どんな場面で止まっているか |
| ネタ | その問いへ答えられる経験・記録・発信は何か |
| 読後変化 | 読み終えた人が何を判断できるか |
「誰にでも役立つテーマ」へ広げるほど、使うネタと読後判断は曖昧になります。僕は、誰の問題を扱うかと、なぜ自分が答えられるかが交わる範囲まで絞ります。












