ファネルKPIの見方|数字を、次の確認につなげるための考え方

ファネルKPI(流入、登録後、選択、継続など、導線の各段階で起きたことを確認する数字や事実)は、施策の成否を一つの数字で決める成績表ではありません。流入、登録後、選択、継続のどの段階を次に確認するかを選ぶ地点です。数字が動いた理由をすぐに断定せず、事実と、まだ分からないことを分けて一つの問いを置いてください。

人を集めること、価値を渡すこと、選択を促すことは互いに影響します。だから一地点だけの変化で全体の原因を決めることはできません。僕は、購入をやめかけた人へ理由を尋ねる場を設けたことがあります。そこで大切なのは、回答内容を原因の証明にせず、数字と直前の迷いを別の材料として扱うことです。

この記事では、見る段階、一つの数値または事実、それだけでは分からないこと、次に確かめる問いを書き、観測を次の作業へつなげます。

僕自身、手法の名前から先に選ぶのではなく、数字を見て確認する場所の候補を絞り、次にどこを見るかを決めてきました。数字は答えではありません。でも、見なくてよい場所を減らし、次の一問を選ぶ材料にはなります。

目次

KPIを確認地点として置く

最初に、導線のどの段階を見るのかを一つ選びます。次に、その地点で起きた事実を一つだけ書きます。数字がなければ、同じ接点を同じ条件で確認できているかという事実でも構いません。ここでは良い・悪いという評価を書きません。

書く項目確認すること
見る段階流入、登録後、選択、継続のどこか
一つの数値または事実その地点で実際に起きたこと
分からないことその事実だけでは決められない理由
次に確かめる問い追加で見れば分岐できる一問

たとえば「登録後に次の接点へ進む動きが変わった」は事実ですが、「説明不足が原因だ」は仮説です。同じ欄に混ぜないでください。分からないことを書ければ、数字を原因と取り違えることを防げます。

Lead×CVR×LTVで確認地点を分ける

売上を一つの数字で見るだけでは、どこへ戻るかを決められません。そこで、Lead、CVR、LTVを原因の名前ではなく、次に確認する場所として分けます。

数字は原因ではなく、戻る場所

Leadでは、誰がどこから来たかを確認します。CVRでは、次の接点へ進む前後で何が伝わったかを確認します。LTVでは、購入後にどんな課題が残り、次の価値が必要だったかを確認します。数字が動いたことだけで理由を決めず、対応する事実へ戻るために使います。

僕は、数字が下がった場所をすぐに修正対象へせず、入口、価値提供、販売、購入後のどこで読者の判断が止まったかを分けてきました。数字は答えではなく、問いを置く場所です。

CVRを先に見る条件と例外

流入した人や入口が大きく変わっていないのに次へ進む人が減ったなら、CVRの前後を先に見ます。ただし、入口で来る人が変わった場合は、ページだけを直しても確かめられません。Lead側の事実を先にそろえます。購入後に停止点があるなら、CVRではなくLTV側へ戻ります。

三つの確認地点と、そこで見る事実の関係は次の図のとおりです。

売上をLead、CVR、LTVに分け、それぞれで確認する事実へ戻る図
Lead・CVR・LTVを原因ではなく次の確認地点として使う図

LTVの値ではなく次の価値を設計する場合は、LTVを顧客価値から設計する記事へ進みます。

段階によって、次の問いを変える

ファネルは段階ごとに確認する目的が違います。同じ数字を全段階へ当てはめるより、いま見ている段階で次に何を確認するかを決めます。

ファネルの段階ごとにKPIを確認地点として使い、次の問いを選ぶ図
段階次に確かめる問い
流入入口の約束は、対象の問題とつながっているか
登録後次の選択に必要な理解を渡せているか
選択判断の直前に、どんな迷いが残っているか
継続購入後の別の課題と、次の価値がつながるか

問いが複数出るときは、最初に答えられれば他の問いも狭められるものを一つ選びます。答えられない場合は、新しい指標を増やす前に、親記事でその段階の接続を一文に戻してください。

数字と迷いを、同じ答えにしない

一つの数値は現象を示しますが、理由を確定しません。直前の迷いに関する観察も、原因を証明するものではありません。二つを照合しても一致しないなら、仮説を急いで決めず、同じ地点をもう一度確認します。

照合した状態判断次の一手
事実と迷いが同じ問いを指す仮説候補にするC01-09で確認する一問を選ぶ
一致しない原因を決めない別の問いを一つ追加する
迷いを確認できない推測で埋めない止まる直前の接点を確認する
段階が定まらない観測を止める親記事へ戻り接続を確認する

観測後に確認できる状態

最後に、「僕は[段階]で[事実]を見た。ただし[分からないこと]が残るため、次は[問い]を確かめる」と一文で言ってください。これが言えれば、KPIは評価のための数字ではなく、次の確認を決める材料になっています。

仮説を一つ選び、変更と再観測を進めるならC01-09へ。どの段階を見ればよいか決められないなら、親記事へ戻ってください。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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