LTVを顧客価値から設計する|購入後の別の課題につなぐ考え方

ここでいうLTVは、顧客が一定期間に支払う金額を見て、継続して提供できる価値を考えるための見方です。

LTVは、購入後の収益を増やす方法だけで考えません。購入前に扱った課題が整理されたあと、同じ読者にどんな別の課題が残るかを確認し、その課題に答える価値があるかを見ます。別の課題を一文で言えないなら、次の提案を増やしません。

購入後はファネルの別の段階です。僕は、同じものを繰り返すことではなく、同じ領域にある別の問題を解く価値につながるかで購入後を捉えてきました。ただし、ここで商品数、価格、提案順、購入後の具体的な事例を扱うことはできません。確認するのは、別の課題と、その課題に答える理由だけです。

僕は、集客に使う時間が増える一方で、商品やサービスの提供、相談への対応が遅れる状態に違和感を持ってきました。購入後の価値を考えるなら、新しい人を集める前に、すでに約束した提供と応答を守れるかを見ます。そこで崩れているなら、次の提案を増やす前に、集客、提供、既存読者への案内へ使った時間を分けて確認します。

目次

全体平均だけでなく、継続して選ばれた理由を見る

LTVは「一生でいくら買うか」という曖昧な数字にせず、三か月、半年、一年など、判断に使う期間を先に決めます。そのうえで、平均値だけでなく、複数回選んだ顧客が次にどんな課題を解こうとしていたかを確認します。

僕は顧客構成を見直し、購入が一部へ集中しているか、その人たちに共通する条件があるかを確認したことがあります。金額の大きい人を特別扱いするためではなく、どの提供が次の課題につながっていたかを考えるためです。

また、売上を増やしたいとき、新しい人を集める前に、既存顧客へまだ渡せていない価値がないかを確認してきました。ただし、同じ商品を何度も勧めることが目的ではありません。最初の問題を解いた後に現れる別の課題へ、別の提供が必要かを見ます。

次の順で確認してください。

  1. LTVを見る期間を決める
  2. 継続して選ばれた商品と順序を見る
  3. 最初の商品後に残った課題を言葉にする
  4. 次の商品が本当にその課題を解くか確かめる

購入回数を増やすことではなく、顧客が次の問題を解くために選べる状態を作ることが、継続価値の設計です。

購入前の課題と、購入後の別課題を分けて書く

紙かメモに次の三行を書きます。購入者の状態を想像で補わず、確認できる範囲だけを書いてください。

書く項目確認する問い
購入前に扱った課題何を解決するために選択されたか
購入後に残る別の課題前の課題とは別に、次に何が問題になるか
次の価値が答える理由その価値は、別の課題のどこに答えるか
購入前の課題、購入後に残る別の課題、次の価値を確認する関係図

二行目が一行目の言い換えになった場合は、別の課題を見つけられていません。次の価値を急いで設計せず、購入前に扱った課題と、その後に残る問いを分けて確認します。二行目自体を確認できない場合も、推測で埋めず「未確認」と残してください。対象外の読者や、確認できない事情を想像で補うこともしません。商品、読者、実行前提が書けないならC01-01へ、担当や運用条件が書けないならC01-06へ戻り、この判断を止めます。

購入後の別課題から次の商品を作る

次の商品は、売上を増やしたいという提供側の都合だけで置きません。購入した価値を実行した後に、前とは別の課題が残ると確認できた場合に、その課題へ答えるものとして検討します。

僕は、単発の販売だけを繰り返すより、平時の価値提供と購入後の関係を続けることを重視してきました。ただし、長く案内すればよいわけではありません。前の商品を選んだ理由と、実行後に残った課題を分けて聞けることが先です。

同じ商品を重ねて売らない

購入直後に同じ課題を別の言い方で提示すると、前の商品だけでは足りなかったように見えます。次に案内するなら、前の価値を使った後に必要になる準備、実行、継続など、別の役割を一文で説明できるかを見ます。

説明できない場合は、商品を増やしません。「次に必要そうだ」という推測で埋めず、購入者の実行状況と残る問いを確認します。

低額入口・体験・自動配信は目的で選ぶ

低額の入口、体験の機会、自動配信は、優劣で並べるものではありません。最初の選択をしやすくするのか、実際に試して判断してもらうのか、購入後の課題に応じて案内を分けるのかで役割が変わります。

形式名を先に選ばず、購入、実行、残る別課題、次の価値の順に置きます。そのうえで、どの接点なら次の課題を無理なく確認できるかを判断してください。

購入後の別課題から次の価値へ進む条件を、次の図で確認します。

購入後に残る別の課題を確認し、同じ商品を重ねず次の価値へつなぐ図
購入後の別課題から次の価値を設計する図

LTVの計測や数字の読み方は、LTVを含むKPIの見方で確認します。本記事では平均値の説明を増やさず、購入後にどんな別課題が残り、次の価値がなぜ答えになるかだけを扱います。

次の価値が、その別課題に答えるか照合する

三行目は「次の価値を出したい理由」ではなく、別の課題への答えとして書きます。購入前の課題、別の課題、次の価値を順に読んで、前の二つと区別できるかを確かめます。

状態判断次の一手
別の課題と答える理由を一文で言える価値の役割を記録するC01-11で役割付きの資産として残す
一部しか答えていない提案を増やさない価値が答える範囲を言い直す
別の課題が確認できない次を設計しない未確認として残し、購入後の課題を確認する
購入前の課題と混ざる判断を止める親記事へ戻り購入前後の接続を見直す

数字と価値判断も分けます。数字が変わったことだけでは、別の課題に答える価値があるとは言えません。反対に、数字だけで価値がないとも決めません。

役割を記録するときは、C01-11の保管表へ「対象」「購入前課題」「購入後の別課題」「次の価値」「接続理由」「対象外または未確認の範囲」「確認日」を残します。この七項目がそろわない場合は資産として保管せず、次の接点も設計しません。

最後に「購入前の[課題]とは別に、購入後の[別課題]があり、次の価値は[答える理由]によってのみ検討できる」と言えれば、購入後の判断を収益語だけで終わらせずに済みます。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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