特典案を小さく比較する

無料特典の案を考えるとき、一案に決めるところで止まることがあります。案を増やすほど、どれを先に扱うのかが決めにくくなるからです。

僕は、この段階で唯一の正解を探さないようにしています。同じ提供内容でも、特典として切り出す入口は何通りも考えられるからです。大事なのは、思いついた案を即座に正解か不正解かへ分けることではありません。同じ課題に対する小さな仮説として並べ、何が違うのかを言葉にすることです。

この記事では、無料特典の案を比較するときに僕がそろえる三つの項目を扱います。アイデア集でも、A/Bテストの手順でもありません。約束、受け取り方の役割、扱う問題の大きさを同じ条件で並べ、一案を先に検討するときの考え方です。

目次

無料特典案に、最初から一つの正解はない

無料特典は、同じテーマから一案だけが導かれるものではありません。僕は過去に、同じような提供内容でも特典案は何通りも考えられ、事前にどれが正解かは決められないと書いてきました。

理由は、特典が扱うのは提供内容そのものではなく、そこへ入る入口だからです。同じ提供内容に対しても、入口の切り取り方は複数あります。だから、案を比べる時点では、どれかを唯一解として固定しません。

僕がここで確認するのは、候補が同じ提供内容への別の入口として並んでいるかどうかです。先に検討する案を一つ選んだとしても、他の案を誤りとして消す必要はありません。何が異なる入口なのかを残しておきます。

比較する前に、扱う課題をそろえる

候補を並べる前に、僕はそれぞれが同じ課題を扱っているかを確認します。課題が違えば、比べているのは入口の違いではなく、別の問題になります。

これは、同じ提供内容にも複数の入口があり得るという僕の観察から決めている条件です。複数案を比較するなら、少なくとも「同じ内容に対する入口」として置かれていなければなりません。

この段階では、課題を新しく作り直しません。候補ごとに扱う課題を一文で置き、同じものとして並べられるかだけを見ます。別の課題になっているなら、比較表に無理に混ぜず、課題を整理する段階へ戻します。

約束する前進を一つに言い分ける

課題をそろえたら、次に候補ごとの約束を一文で置きます。ここでいう約束は、大きな成果を掲げることではありません。候補が扱う範囲を、一つの前進として言い分けるための項目です。

僕は、最初から大作を考えず、提供する内容を一テーマ・一問題に置く方針を取ってきました。範囲が広がりすぎると、候補が何を約束しているのかを同じ条件で比べられなくなるからです。

そのため、候補ごとに「この案が扱う前進は何か」を一文で置きます。一文に収まらない場合は、情報が不足しているというより、複数の問題を一案に入れている可能性があります。その案を失敗と決めるのではなく、問題を分けて別の候補として置けるかを見ます。

受け取り方は、約束との関係で置く

受け取り方も、形式名から決めるものではありません。僕は、候補が約束する前進と受け取り方の役割を並べて確認します。

理由は、同じ提供内容への入口を比べるためです。約束と受け取り方を別々に決めてしまうと、何を比べている候補なのかが曖昧になります。

ここでも、一テーマ・一問題に置くという方針を使います。候補の範囲を小さく置いたうえで、その候補が約束する前進と受け取り方の役割を一組として書き出します。受け取り方の詳しい選び分けは、リードマグネットの種類で扱います。

扱う問題の大きさをそろえる

比較する案は、最初から大きく作り込まないほうがよいと僕は考えています。大きさが違いすぎる案を並べると、約束や入口ではなく、単に扱っている問題の数が違うだけになるからです。

この判断は、僕が一テーマ・一問題として提供物を置いてきた経験に基づいています。小さく置くのは内容を薄くするためではありません。候補が扱う問題の範囲を明確にし、他の候補と同じ条件で見比べるためです。

ここでは、候補ごとに扱うテーマが一つか、問題が一つか、約束と内容の範囲が対応しているかを確認します。複数の問題が混ざっている案は、消すのではなく、どこで分ければ別の候補になるかを考えます。

一案を先に選んでも、唯一解にはしない

約束、受け取り方の役割、扱う問題の大きさを並べると、先に検討する候補を選べます。ただし、それは唯一解を決めることではありません。

以前、ある登録企画を案内したとき、僕は参加者の数、登録ページの反応、視聴後のコメントを別々に見ていました。今振り返ると、これらは同じ結果ではありません。当時の数値を現在の基準にはせず、候補ごとに登録前と受け取り後のどの反応を見るかを決めてから比較します。

同一読者課題に対する小さな候補を、約束、受け取り方、扱える大きさで比べ、いま先に検討する候補を選び、ほかの候補も比較対象として残す図。

僕は、同じ提供内容でも複数の案を持ち、事前に一案だけを正解とは決めませんでした。また、大作を先に完成させるのではなく、一テーマ・一問題に置いた候補を考えてきました。

だから、一案を先に扱うときも、選ばなかった案は残します。約束を言い直す案、受け取り方との関係を見直す案、扱う問題の大きさを整える案として、次に比較できる状態へ置いておくためです。

無料特典の案は、思いつきの数で唯一解を当てる作業ではありません。同じ読者課題に対する小さな仮説として、約束、受け取り方、扱う問題の大きさを比べる。僕はこの順で、一案を先に検討する理由を置いています。


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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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