あなたは「電子書籍(Kindle)出版」って聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
ネットで電子書籍の出版について検索すると「印税収入で稼ぐ」みたいな話がよく出てきます。
でも実は、僕たち個人起業家(コンサルやコーチ、コンテンツ販売者)や中小企業にとっては、電子書籍を出版するべき理由や目的は印税収入ではないんですよね。
というのも、電子書籍って実はビジネス全体をグッと活性化させる「超強力なマーケティングツール」なんです。
だからこそ僕も電子書籍を何冊も出版してきています。
↓出版してきた電子書籍※執筆時点
そこで今回は、電子書籍をどうビジネスやマーケティングに活用すべきなのか、その基礎知識と具体的なメリットをお伝えします。
印税収入は目的ではない?電子書籍出版をする真の目的
書籍出版の目的について最初にお伝えしたい大事なポイントがあります。
結論から言うと、それは「印税収入」ではありません。
ネットで「Kindle出版」と検索すると「副業でお小遣いを稼ごう」といった情報がよく目に入りますよね。
確かに印税収入を副収入の一つとして考えるのは一理あります。
ただ、それは僕たちにとっての出版活動のゴールではないんです。
印税率は確かに高い!でも単価が低いから…
例えば商業出版の場合、印税率は5%から10%程度が一般的です。
一方、Kindle出版では印税率が35%から70%と、かなり高め。
ただし、電子書籍の価格は基本的にそれほど高く設定できません。
仮に1冊500円で販売したとすると、印税収入は1冊あたり175円から350円くらい。
この金額では、大きな収益どころかまとまった副収入とするのも難しいでしょう。
仮に奇跡的に3万部売れたとしても、得られる収入は現実的にはそこまで多くありません。
このため、書籍だけで大きな収益を上げることを期待するのは非現実的と言えます。
電子書籍を出版する真の目的は?
では、書籍出版の本当の目的は何か?
それは「見込み客のリストを集めること」にあります。
電子書籍を活用する最大の目的は、見込み客のリストを集めて、商品を売る仕組みの一部として組み込むことです。
それによって印税収入なんかよりも圧倒的に大きな価値・売上を電子書籍を起点に生み出してくれるようになります。
電子書籍をマーケティング活用する3つのメリット
電子書籍を見込み客リストを集めに活用することには、いくつかの大きなメリットがあります。
まず1つ目のメリットは、「ビジネスにおける信頼を担保できること」です。
2つ目は、日本最大級のプラットフォームであるAmazonに参入できる点です。
そして3つ目が、見込み客リストをお金をもらいながら集められること。
これらは電子書籍を活用することで得られる魅力的なポイントなんです。
メリット1.ビジネスにおける信頼の担保が得られる
では、1つ目の「ビジネスにおける信頼の担保」というメリットについて、少し具体的にお話しますね。
これは、僕が実際にコンサルティングの現場でお客様からいただいた質問に深く関わっています。
その方はこんな悩みをお持ちでした。
個別面談に参加してくれた方から「夫が実績や裏付けがないと怪しいと言う。実績や安心の材料になるものはないか?」と言われました。
どうやって安心材料を提示したら良いですか?
例えば、高額な商品を販売する場合、購入者の多くは「本当に信頼できるのか?」と慎重になります。
さらに家族やパートナーに相談した際、「怪しいからやめたほうがいい」と反対されるケースもよく耳にします。
特に商品の単価が高ければ高いほど、この不安は大きくなる傾向がありますよね。
そんな状況において、信頼を担保するための要素がないと、販売活動は非常に難しくなります。
そこで役立つのが電子書籍です。
電子書籍を出版することで、自分の専門性や実績を明確に打ち出せます。
それが「この人なら信頼できる」「安心して購入できそう」という印象を購入者に与え、最終的な成約率アップにつながるのです。
電子書籍を出版すると、Amazonで自分専用の「著者ページ」を持つことができます。
例えば、お見せしたページのように、あなたも自分が電子書籍を出版した「著者」であることを証明する専用ページを持つことができるんです。
このページがあるだけで、何もない状態よりも格段に信頼を得やすくなると思いませんか?
なぜなら、「Amazonに名前が載っている」という事実そのものが、信頼の担保になるんですから。
一般的に、「著者」という肩書きには高い社会的信用があります。
さらに、Amazonは日本最大級のECサイトですので、著者として名前が掲載されるだけで社会的な信用度が大きく向上します。
例えば、「中村純」という名前で検索した際にAmazonのページが表示されるようになれば、それ自体が信頼感を生み出します。
つまり、著者としての肩書きとAmazonというプラットフォームの信頼、この2つが掛け合わさることで、ビジネスにおける強力な信頼構築の要素となるのです。
メリット2.手軽に日本最大のプラットフォームに参入できる
次に、電子書籍出版のメリットとして挙げられるのが、「日本最大級のプラットフォームに参入できる」という点です。
先ほど、「電子書籍出版=Amazonでの販売」を前提にお話ししましたが、他にも楽天やAppleといったプラットフォームは存在します。
でも、実際のところ電子書籍の販売においてAmazonのシェアは圧倒的です。
もちろん、漫画専門のアプリや特化型プラットフォームで成功するケースもありますが、ビジネス書のジャンルでは、Amazonが事実上の独占状態にあります。
そんなAmazonの月間ユーザー数は約5000万人以上と言われています。
一方で、SNSを集客の場として活用する例もありますが、例えばFacebookの月間ユーザー数は約2600万人程度。
それでもFacebookは集客やリスト獲得の手段として十分有効であり、僕自身もFacebook広告を使ってリストを集めています。
でも、AmazonはFacebookやInstagramといったリストが獲得できているプラットフォームを大きく上回る利用者を抱えています。
そのため、集客や認知度向上のためのプラットフォームとしても非常に魅力的なんですよね。
これだけ利用者数が圧倒的なAmazonを活用することで、圧倒的に多くの見込み客にリーチすることができます。
そして、そのAmazonへの参入方法として、電子書籍ほど手軽な手段は他にありません。
以前であれば、Amazonに参入するためには紙の本を出版するか、物販を通じて商品を販売するくらいしか選択肢がなかったんです。
でも、電子書籍という選択肢が登場したことで、無形の商品やサービスを扱う僕たちのようなビジネスでも、紙の本を出版する必要なくAmazonを活用できるようになりました。
これが電子書籍の持つ大きな魅力の一つです。
メリット3.お金をもらいながら見込み客リストを集められる
さらに、電子書籍を活用する三つ目のメリットは、「見込み客リストを集められる」ことです。
しかも、金額は少ないですが、お金をもらいながら…という点も特徴的です。
一般的な見込み客集めの常識は、「お金を使うのか、もしくは時間を使うのか」って言われています。
つまり、広告などにお金を投資して集客するのか、SNSなどでコツコツ時間をかけて集客するのかということですね。
ただ、電子書籍はこの常識を覆しているんですよね。
先ほど、印税収入はそんなにまとまった金額にはならないとは言いましたが、それでもお金をAmazonからもらうことができるわけです。
それだけじゃなく、Amazonでは販売手数料が売上から差し引かれるため、こちらから持ち出す資金が必要ありません。
例えば、広告に1万円を投資して見込み客リストを獲得する場合、成果が保証されないリスクを負う必要がありますよね。
でも、電子書籍は「売れた分だけ印税が入る」という仕組みのため、持ち出しのリスクがありません。
また、Amazonが販売を代行してくれるため、発送作業などの手間が一切かからないのも魅力です。
つまり、執筆と出版さえ行えば、その他に時間やお金を大きく費やす必要がないのです。
電子書籍マーケ、基本の流れ|Kindleの出版は出発点
ここからは、電子書籍をどのように活用してリスト獲得や売上増加につなげるか、その具体的な流れについてお話しします。
最初はAmazonで電子書籍を販売をするわけですから、まず僕たちがやらなきゃいけないのは執筆ですよね。
そしてその後、出版作業を済ませてAmazonでの電子書籍販売をスタートします。
そのあとAmazonで売られている本を買ってくれた人が現れた段階で、僕たちには印税収入が入ります。
ただし、ここから何か工夫を加えないと、印税以外のものは入ってこないわけですね。
というのも、「Amazonで書籍が売れる=購入者リスト化」ではないからです。
Amazonは購入者情報を渡してくれませんので、どれだけ頑張って電子書籍を売ったとしても、僕たちの購入者リストにすることはできないんですね。
だからこそ、最も重要なのが電子書籍経由でメルマガに入ってもらう仕組みの構築です。
電子書籍を読んでくれた方が、僕たちのメールマガジンに登録する。
そのあとに商品案内販売をさらにしていくことによって、売り上げを大きくしていくことが実現できるわけです。
電子書籍の読者をリスト化する仕組みの基礎
繰り返しになりますが、電子書籍を使って売上を増やしていくためには、読者をリスト化するための工夫が必要になります。
具体的には、書籍内に特典を提供する仕組みを入れることです。
具体的な方法はとてもシンプルで、書籍内でアドレス登録と引き換えに特典を提供する仕組みを作るだけです。
例えば、僕の電子書籍では、以下の画像化したページのように、「無料プレゼントのお知らせ」を掲載しています。
このリンクをクリックすると、ランディングページ(LP)が表示され、そこにメールアドレスを登録すると特典を受け取れる仕組みになっています。
ここで提供する特典の内容はチェックリストやテンプレート、動画コンテンツなど、いわゆる「リードマグネット」と呼ばれるものですね。
特にオススメなのは、書籍の内容に関連した特典を用意すること。
たとえば、本に簡単なワークを盛り込んで、そのワーク用のシートをダウンロードできるようにすると、読者の反応がかなり良くなります。
あとは関連性がなくても、「こちらの電子書籍もおすすめです」と他の電子書籍を紹介して、そちらでリスト化するという手段もアリです。
こうして電子書籍でリストを獲得し、その後に商品やサービスを提供していく。
この流れを作ることで、電子書籍は単なる印税収入以上の価値を生み出すマーケティングツールに変わるんです。
↓電子書籍に仕込む特典のアイディアは、この記事でチェック!↓
まとめ:電子書籍は印税目的ではなく、仕組みの一部に活用する!
この記事を読むまで、電子書籍って、「印税で稼ぐだけのもの」だと思っていませんでしたか?
もしそうなら、それはめちゃくちゃもったいないです。
記事に書いたとおり、実は電子書籍って、ビジネス全体をググッと伸ばす強力なマーケティングツールになるんですよね。
特にAmazonを使うことで、日本最大級のプラットフォームで自分や自分のビジネスを信頼できるものとして見てもらえる。
さらに、電子書籍を通じて見込み客のリストを獲得する仕組みさえ作れれば、一気に可能性が広がるわけです。
ただし、出版するだけではダメ。
出版した後にどうリストを獲得するか、さらにそのリストをどう活用していくかがカギになります。
例えば、メールでフォローアップしたり、SNSや広告と連携させたり、全体を見据えた戦略の中で動かしていく必要があります。
具体的なイメージをすると、「ターゲットが欲しがる内容を提供する」ことが重要です。
そうすれば、電子書籍が単なる「読まれるだけのもの」じゃなくなります。
ではどうしたら「ターゲットが欲しがる内容」にすることができるのでしょうか?
次からはそんな電子書籍のテーマ設定について具体的に解説していきます。