100本超の動画の使い方(完全消化しなくてOK)

オンライン講座を動画にするか、文章にするか、ライブで届けるか。

この答えは、内容の豪華さだけでは決まりません。受講者が次に何をする必要があるのかと、提供者が無理なく続けられる運営負荷を合わせて選びます。

動きを見せたいなら動画が向きます。読み返しや検索が必要なら文章が使いやすい。質問や実践の修正が必要なら、ライブの役割があります。

全部を用意する必要もありません。まず主形式を一つ決め、不足する役割だけを補助形式で足してください。

目次

形式は、受講後の行動から選ぶ

「動画講座のほうが価値が高そう」「PDFだけでは弱そう」という印象から形式を決めると、制作量だけが増えます。

先に考えるのは、受講者が理解するのか、確認するのか、まねるのか、実践するのか、質問するのかです。

理解、確認、模倣、実践、質問という学習行動から、文章、動画、ワーク、ライブの候補を選ぶ図。
受講後に必要な行動を先に決め、文章・動画・ワーク・ライブの候補を選ぶ。
形式向く学習行動強み弱み制作・運営負荷向かない場面
文章読み返す、検索する、確認する、記入する必要箇所を探しやすく、更新しやすい動きや微妙な判断過程は伝えにくい制作負荷は中、更新負荷は低め操作や動作を見せる必要がある内容
動画画面を見る、動きをまねる、判断過程を追う実演と説明を同時に見せられる必要箇所を探しにくく、更新に手間がかかる撮影・編集・差し替えの負荷がある頻繁に更新する一覧や確認表
ライブ質問する、実践する、個別に修正するその場の疑問とつまずきへ対応できる日程に左右され、繰り返し運営が必要制作負荷は低くても運営負荷が続く同じ説明を何度も繰り返す内容

形式を決める前に、受講後に必要な行動を一つ選びます。行動が複数あるなら、中心になるものと補助するものを分けてください。

文章が向くのは、読み返し・確認・検索が必要な内容

手順、一覧、チェック項目、記入例のように、後から何度も確認する内容は文章が向きます。

受講者は最初から最後まで読み直さなくても、必要な箇所を探せます。提供者側も、条件や手順が変わったときに該当部分だけを更新できます。

例えば、公開前チェック、質問例、比較表、ワークシートは文章にすると使いやすいです。

一方、長い説明をそのまま文章へ詰めると、どこが行動部分なのか分からなくなります。説明と、受講者が書くこと・選ぶことを分けてください。

文章だけで届ける場合も、見出し、表、箇条書きを使い、必要な箇所へ戻れる構造を作ります。

動画が向くのは、動き・画面・判断過程を見せたい内容

ツールの操作、身体の動き、画面上の選択、実物を使った説明は、動画のほうが理解しやすいことがあります。

また、完成結果だけでは分からない判断過程も動画で見せられます。どこを見て、何を選び、なぜ別案を外したのか。操作そのものより、考え方を見せたい場合にも使えます。

ただ、動画の本数が多いこと自体が価値になるわけではありません。

僕自身、かなり多くの動画を含むプログラムを作ったことがあります。そのときに意識したのは、一気に全部を消化してもらうことではなく、作業の順番を分け、必要なときに辞書のように戻れる状態にすることでした。

全部見せるのでなく、必要箇所へ案内する

動画が増えたら、まず本数を減らすことだけを考えるのではなく、受講者が自分に必要な場所を選べる案内を作ります。

  • 最初に見る動画
  • いまの課題ごとの視聴順
  • 各動画でできるようになること
  • 見る必要がない条件

動画タイトルを並べるだけでなく、「この状態なら、ここから見てください」と示すのがポイントです。

更新が多い内容は、動画内へ固定せず、文章の補足へ分ける方法もあります。差し替えのたびに全動画を撮り直さずに済みます。

ライブが向くのは、質問・実践・修正が必要な内容

受講者ごとに条件が違う、やってみないと疑問が出ない、その場で修正したほうが早い。こうした内容にはライブが向きます。

ただし、ライブで毎回同じ説明を繰り返すなら、その説明は教材へ移せるかもしれません。

ライブは、教材の代わりに何でも話す場所ではなく、次のような役割へ限定すると運営しやすくなります。

  • 実践した内容へのフィードバック
  • 個別条件によって答えが変わる質問
  • 途中で止まった原因の確認
  • 次に行う一つの行動を決めること

録画を残す場合も、後から見る人が探せるように、扱った問いと該当時間を記録しておくと使いやすくなります。

一つに決めず、主形式と補助形式を分ける

文章、動画、ライブのどれか一つだけで、すべての役割を担う必要はありません。

ただ、最初から全部を用意すると、受講者はどれを見ればよいか迷い、提供者は更新を続けにくくなります。

主形式を一つ決め、不足する役割だけを補助形式で足します。

主形式補助形式役割分担の例
文章短い動画手順は文章、操作部分だけ動画
動画チェックリスト判断過程は動画、実践確認は文章
録画教材月1回のライブ共通説明は教材、実践の修正はライブ
ライブ要点まとめ実践はライブ、後日の確認は文章
中央の主形式が中心の学習行動を担い、補助形式が確認と質問の不足分だけを補う図。
主形式を一つ決め、不足する確認・質問の役割だけを補助形式で足す。

以前、僕は同じ内容を動画、音声、テキストで同日に提示し、受け手が選べる形を使ったこともあります。ただ、常に3形式を用意する必要はありません。選べることより、迷わず使い始められることを優先してください。

形式別に制作費と運営負荷を見積もる

講座の形式は、受講者に向くかだけでなく、提供者が継続できるかでも判断します。

作る時間、更新する時間、質問へ答える時間を分けて見てください。

  • 文章:作成時に構成と推敲が必要だが、部分更新はしやすい
  • 動画:撮影・編集・アップロードに時間がかかり、画面変更時は差し替えが必要
  • ライブ:事前制作は少なくても、開催するたびに時間を確保する必要がある

さらに、質問対応をどこまで含めるか、録画を再利用するか、字幕や書き起こしが必要かも確認します。

制作と更新の負荷を横軸、対話量を縦軸にして、文章、動画、ライブの位置を比べる図。
制作・更新負荷と対話量の二軸で、文章・動画・ライブの運営条件を比べる。

受講者にとって良くても、提供者が続けられなければ講座として成立しません。続けられる条件まで含めて形式を決めます。

形式を増やす前に利用状況を見る

講座が使われていないとき、すぐに動画や特典を追加しないでください。

まず、開始されていないのか、途中で止まっているのか、実践後に質問できず止まっているのかを分けます。

止まり方考えられる不足先に試す修正
開始されない最初に見る場所が不明開始案内と最初の一歩を明示する
動画の途中で止まる長い、探せない、行動が不明区切り・索引・完了条件を置く
実践へ移らないワークや記入例が不足文章の補助物を足す
質問後に止まる回答経路や再開地点が不明質問方法と戻り先を示す

開始、継続、完走、再開の設計を見直す場合は、オンライン講座の完走率・継続率を上げる設計へ進んでください。

まとめ|主形式は一つ、補助は必要な役割だけ

オンライン講座の形式は、次の順で選びます。

  1. 受講後に必要な行動を一つ決める
  2. 文章、動画、ライブの向く役割を比べる
  3. 主形式を一つ選ぶ
  4. 不足する役割だけ補助形式で足す
  5. 制作・更新・質問対応の負荷を見積もる
  6. 利用状況を見て一箇所ずつ直す

「全部あったほうが親切」ではなく、「次に何を使えばよいか迷わない」状態を目指してください。

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この記事を書いた人

中村純のアバター 中村純 株式会社オフィスNJ代表

株式会社オフィスNJ代表 中村純

大学を留年し同期から半年遅れで卒業。フリーター&バンドマン時代を経て、バンド活動の終了とともにマーケティング・コピーライティングの世界を知る。

2015年6月、(株)コンサルタントラボラトリーに参画。

以降、社内のコピーライティング全般を手がけるほか、広告・販売戦略の立案やマーケティングファネルの設計、安定的に毎月“完全自動”で売上が上がる仕組みの構築なども手がける。

コンラボ社に参画してからの約3年半の間にコピーで関わった案件の総売上は7億4529万円以上。

現在は独立し、企業や団体のサポートをする一方で、『個人起業家のためのベーシックなマーケティング&コピーライティングスキル教育のインフラを構築する』ためにコンテンツビジネスを展開している。

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