2019年5月、Facebookを見ていたら、泉佐野市のふるさと納税の広告が流れてきました。
当時は、制度が変わる直前です。広告の下には、広告費を使うことへの違和感が伝わる反応もついていました。
「そんなお金があるなら、広告なんて出さなければいいのに」
正確な文言はさておき、僕にはそういう空気に見えたんですよね。
そこで、昔メルマガに書いたのが「大衆は常に間違える」という話です。
この言い回しは、正直あまり好きではありません。誰かを見下すようにも聞こえるからです。
でも、「みんながそう言っているから」を、そのまま事業の判断にしないことには賛成です。
広告は、利益が出てから使うものなのか
当時、僕が引っかかったのはここでした。
広告は、お金が余っている会社がやるもの。まずはお金をかけずに頑張って、十分に利益が出たら広告を考えるもの。
これは一見もっともらしいです。
でも、広告は単なる出費ではありません。自分たちの商品や考え方を知らない人との接点を作るために、先に費用を払う行為でもあります。
僕自身、独立した当初から広告を使ってきました。広告を使ってきたからこそ、メルマガを届けられる相手が増え、その後にプログラムを提供する機会も生まれました。
もちろん、これは「広告を出せば売れる」という意味ではありません。
経験もなく、受け皿もないまま出稿すれば、広告費を無駄にすることもあります。昔の僕も、広告を始める前に、何を伝えるのか、登録した人に次に何を渡すのかを考える必要がありました。
ただ、「利益が出ていないから広告はまだ早い」という前提だけで止まると、そもそも新しい接点を作れないままになることがあります。
あの広告と反応を見たとき、僕が考えたのはそこでした。
多数派と逆へ行けばいい、という話ではない
ここで誤解してほしくないのは、周りと反対のことをすれば正解、という話ではないことです。
投資の話でも、みんなが買っているから買う、下がったから慌てて売る、という行動はよく例にされます。でも、反対に動けば必ずうまくいくわけではありません。
事業も同じです。
広告をしていない人が多いから広告を出す。SNSをしている人が多いからSNSをやめる。電子書籍が流行っているから本を書く。
これでは、判断を「多数派」から「逆張り」という別の多数派に預け直しただけです。
僕が大事にしたいのは、誰が何をしているかよりも、いま自分が置いている前提を言葉にすることです。
僕自身、高額講座が主流に見えた時期に、安定と継続を優先し、その形式を自分の事業の中心には選ばないと書きました。これは、高額講座やローンチが間違いだという証拠ではありません。周囲の主流より、自分が守りたい提供条件を確認できる形にした一例です。
流行より、続けられる条件と準拠性を確認する
新しい方法が注目されていても、外部のルールや一時的な条件に強く依存するなら、そのまま自分の中心へ置かない方がよいことがあります。短期的に使えるかと、長く説明し続けられるかは別の判断だからです。
僕は、流行に左右されやすい方法や、外部ルールとの境界が曖昧な方法を、教える内容の中心にしないと判断したことがあります。方法の優劣を決めたのではなく、変化したときにも責任を持って説明できるかを基準にしました。
採用前に、次の三点を確認してください。
- 法令・規約・媒体のルールに依存する部分はどこか
- 外部条件が変わっても残る考え方は何か
- 条件が変わったとき、誰が確認し、何を止めるか
現行の法令や規約は、その時点の一次情報で確認します。確認できない方法は、流行しているかどうかに関係なく、教える範囲から外すか保留にします。
僕なら、先にこの四つを置く
新しい集客手段を考えるとき、僕なら最初に次の四つを紙へ書きます。
- 何を増やしたいのか:メルマガ登録なのか、相談なのか、既存のお客さんへの案内なのか。
- 誰に届けばよいのか:いま困っている人なのか、すでに比較を始めている人なのか。
- どこまで使えるのか:費用だけでなく、運用や対応に使える時間も含めます。
- 何を見たら止めるのか:反応がない、対応しきれない、次の案内が機能していない。どの時点で見直すかを先に決めます。
この四つが空欄のまま広告を始めても、SNSを続けても、電子書籍を書いても、結果だけを見て迷いやすくなります。
逆に、四つが書けていれば、小さく試した結果を次の判断に使えます。
SNSか、広告か、電子書籍か
昔のメルマガでは、広告と、時間をかける発信の間に別の手段が必要だと書きました。そのとき僕が考えていたのが電子書籍です。
今も、どれか一つが常に正解だとは思いません。
SNSは、発信と反応のやり取りを続けながら、誰に何を届けるかを確かめたいときに使えます。広告は、届けたい相手と受け皿、費用の上限がある程度見えているときに検討できます。電子書籍は、自分の知識や経験を一つのテーマにまとめ、読後に次の問いを残したいときに向いています。
大事なのは、手段の優劣を決めることではありません。
自分の今の目的に対して、その手段がどこを担うのかを決めることです。
2019年の泉佐野市の話は、いまの制度案内ではない
ここまでの泉佐野市の広告は、2019年5月に僕が見た出来事です。当時は同年6月から始まる新制度を前に、同市が当初の指定対象から外れると公表されていました。
その後、最高裁判決を経て、泉佐野市は制度に再指定されています。
なので、この話は現在のふるさと納税や税務の判断に使うものではありません。あの時期に広告を見て、僕が自分の事業の前提を考え直した、という記録として読んでください。
次に、どの前提を確かめるか
「大衆は常に間違える」という言葉を、僕はそのまま信じているわけではありません。
多数派が正しいこともあるし、少数派が間違うことも普通にあります。
ただ、誰かの常識を借りて止まる前に、自分の目的、費用、回収の見込み、止める条件を一度書き出す。
あのFacebook広告を見たときから、僕が持ち帰っているのはこの姿勢です。
- 広告を検討しているなら、出稿前にMeta広告の費用対効果を確認する考え方で、目的・計測・停止条件を整理してください。
- 知識や経験を入口にしたいなら、電子書籍マーケティングの全体設計で、書籍の役割と読後導線を確認できます。
- 集客から販売までのつながりが曖昧なら、セールスファネルの作り方へ進んでください。










